2022年 01月 29日
間_b0116656_2011577.jpg
Photo:伯父の形見分けで頂いた硯

とても便利になって、効率を重視される様になってきたぼくたちの生活。一度それに慣れてしまうと、なかなかそこから抜け出せないから厄介だ。抜け出す必要はないのかもしれないけれど、効率が優先されると多くの大事なものを忘れちゃうんじゃないかと老婆心ながら。

間。時間的、空間的、精神的な間。ぼくは、これを大切にしていきたいなと思っている。それが、上質な暮らしに繋がるんじゃないかなと感じているから。心が豊かになれる様な気がする。毛筆で字を書いてみる。硯に水を少し垂らし、墨をする。筆を墨に浸し、先を馴染ませる。程度な墨を、筆先に染み込ませ紙へ運ぶ。タバコに火を付ける。小さな箱を引き出し、中からマッチ棒を取り出す。箱の側面にマッチを擦り付け火を灯す。マッチ棒に火が移った頃を見計らって、タバコへと。ぼくの実印には、刻まれた文字の上下を判るようにという切り込みなどの印は付いていない。実印を押すという行為は、少なからず大切な決断の後に行われる。押印は、最後の決断。その際に、印鑑を持って、一度文字の上下をその面を見て確かめる。この間が、決断を確定させる。生活の中に埋もれてしまっている間。少し、気にかけて大事にしてみたら、少しは心が豊かになれるんじゃないかなって思う。


by nishan-cordy | 2022-01-29 15:41 | 日々雑感 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード


<< 愛用の机      一度も撃ってません >>