2021年 11月 09日
沙羅双樹の花の色
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中学3年生の時、クラスの担任は国語の女性の先生だった。よく覚えているのが、とにかく覚えておきなさいと平家物語の冒頭の1節を丸暗記させられた。意味についても教えて貰ったけれど、今はよく理解できなくてもいいからとにかく暗記しなさいと覚え込まされた。お陰で、今でもスラスラと声に出る。その意味も、少し理解できるようになったような気がする。そして、先生がなぜ丸暗記させたのかも。

大阪では今、関西にあるスーパーを巡って、争奪戦が繰り広げられている。臨時株主総会で決着がついたと思ったら、そこに待ったがかかった。
35年前、今の仕事に就いた時から30年ほどそのスーパーと関わったことがある。35年前当時、そのスーパーは光り輝いていた。素晴らしい理念のもと、オペレーションも、店舗作りも、売り場作りも素晴らしいものだった。今の姿が、ぼくには痛々しく見えて仕方ない。どの様な結果に落ち着くのか判らないし、興味もない。ただ、どんな結果になっても、そのスーパーは2度と復活することはないだろう。看板が変わらなくても、中身は以前のそれとは似て非なるもの。どこに合併されても、以前の輝きを取り戻せないのは、火を見るより明らかである。春の夜に夢を見て、沙羅双樹の花に感じることなく、風の前の塵となってしまった・・・。

『さよならだけが人生だ』
中学の担任の先生の口癖が、アラ還になった今心に染みる。


祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。


by nishan-cordy | 2021-11-09 21:19 | 日々雑感 | Comments(0)
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