2021年 10月 12日
銭湯、スーパー銭湯、そしてサウナ
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Photo:お気に入りの鄙びたスーパー銭湯

巷ではサウナがブームのようだが、ぼくはサウナ歴40年の大のサウナ好きだ。
初めてのサウナは、中学生の時。内風呂があるのが珍しかった時代、ぼくの家には風呂があった。時々友達と連れ持って銭湯に行くのが楽しみだったんだけれど、少し離れた銭湯にサウナがあった。初めて入ったサウナは、どうしてこんなものの中に入るのか、なにが愉しいのかが全く理解できず、3分も持たずにサウナ室を出た。

二十歳の頃、親父が親しくしていた個人タクシーの運転手さんと一緒に、少し離れた銭湯によく通った。そこにももちろん、サウナがあった。3〜4人も入れば満員といった小さなサウナだったけれど、少しは汗をかくことが面白く思えた。ある日、その銭湯のサウナに親父と入っていると、入れ墨を入れた人が入って来た。刺青といっても輪郭の墨だけで、色までは入っていなかった。場所柄そんな人もちょこちょこ見かける地域だったので、それほど驚くことはなかった。ところがである。親父が刺青のお兄ちゃんんに向かって吐いた言葉に、ぼくは頭が真っ白になった。

『中途半端なことしやがって!痛おて、途中で堪らんようになったんか? それとも、色入れるだけの銭がなかったんか? やるんやったら、最後まできっちりやらんかい!』

やばい!狭いサウナの中で、若い刺青入れたお兄ちゃんとバトルなんて洒落にならん!と思ってたら、そのお兄ちゃん、すごすごとサウナ室を出て、脱衣場で着替えて出て行ってしまった。ほっと胸を撫で下ろしたと同時に、なんちゅうことを言うんやこの親父はと心底呆れた。まあ、親父は一時そっちの世界に半分足を踏み入れてたので、血が騒いだのかもしれないな・・・。

就職してからは、先輩に呼び出されて仕事中にサボってサウナに通った。絶対髭は剃るなと言われてたのに、ある時なんの気無しに剃ってしまった。事務所に帰った時、所長がいつもと違う目つきでぼくを見た。その時の目が、今でも忘れられない。完全にバレてたと思うけれど、所長はなにも言わなかった。この無言の教育は、ぼくには効いた。それからもサボったけれど(笑)、仕事はしっかりやった。

スーパー銭湯というものが世に出てから、ぼくはハマった。ちょっと非日常を体験できる施設も愉しくてよく通っているけれど、自宅近くの少し鄙びたそれも大好きだ。

今日は、鄙びたスーパー銭湯に行ってきた。月曜日の夕方前という時間帯、来られているのは大先輩方ばかり。70歳未満禁止、って規制があるんじゃないのってくらいの光景。でも、みなさんそれぞれにゆっくりまたり愉しんでおられた。こんな銭湯の延長線上にあるようなスーパー銭湯が大好きだ。日々の疲れを癒して、顔見知りとの会話に明日への英気を養う。
河島英五の世界が、ここにはあるような気がした。


by nishan-cordy | 2021-10-12 18:46 | お気に入り | Comments(0)
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