2012年 09月 12日
舟を編む
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ブログを書くようになって、以前より言葉を意識するようになった。文章や文字ってものにも、少し興味を持つようになった。で、以前より少しは、語彙が豊富になって表現に幅が出来つつあるのかなって感じていた。でも、それは大きな勘違いだってことが判った。

教育関係の仕事に就いている高校時代のクラスメイトがいて、彼が時々FBに本の感想を短い文章で紹介してくれている。経営者仲間も本の紹介をしてくれているけれど、やはり経営に関係する本や自己啓発の内容のものが多い。もちろんそれらの本も、良く読むようにしているしとても勉強になっている。ただストイックになりきれないぼくは、ときに肩の力を抜いて文字の紡ぎだすイマジネーションの世界に飛び込みたくなる。クラスメイトの彼が紹介してくれた本を、以前読んだことがある。これがとても面白かった。きっと彼の紹介がなければ、一生ぼくが手にすることのなかった本だと思う。こんな出会いもあるんだなって、良書との出会いに小躍りしたのを覚えている。で今回も彼の紹介する本なら間違いないだろうってことで、読んでみることにした。

内容は、ある出版社の辞書編集部が新しい辞書を編纂するというストーリー。新しい辞書を15年かけて作るあげる過程の一部分が描かれているんだけれど、言葉に対する関わり方がぼくのそれと全く異次元で描かれているのでとても興味深かった。もう少し長編にして、登場人物をより深く描写したらもっと深みが出て面白いかもと思いながら、さくっと軽く読了。友人が『ほっこりした気分になれた』と紹介していたけれども、なんとなく同意。
それにしてもプロの物書きはさすがだと、小説を読むといつも感じる。当然のことだけれどその語彙の豊富さ、表現の巧みさなどまさに文字の大海原に誘ってくれる。ぼくのそれは、さしずめ次の日には消えてなくなる雨上がりの小さな水たまりって所だろう。もっと文字と触れたくなってきた。次はどの本を愉しもうか・・・。


舟を編む
三浦しをん 著 光文社


by nishan-cordy | 2012-09-12 21:36 | | Comments(0)
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