2013年 12月 17日
緊急入院顛末記 chapter2-播種性血管内凝固症候群(DIC)
播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん、英 disseminated intravascular coagulation:DIC)は、本来、出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群である。 早期診断と早期治療が求められる重篤な状態である。(Wikipediaより抜粋)

ICUから一般病棟に移ったのは、2日後の6日だった。一般病棟とはいえナースステーションに一番近い病室で、心拍数をウォッチできるように電極をつけていた。その病室には、同じように重篤な患者さんばかりがおられた。緊急入院してからこの時まで医師から色々と説明を受けたが、この日の夕方医師団(5名程の医師がチームで治療に当たって下さっていた)から病状の説明と今後の治療法について説明を受けた。チームのリーダーからまず入院したときからの血液検査のデーターを時系列に見せて頂き、現状の説明があった。本当に良く生きているなって思うくらい、説明を受け、病状を聞くと背筋が寒くなる。特に搬送直後の血液検査のデーターは、ひどいものだった。そこで敗血症性ショックについて、詳しく説明を受けた。説明をする医師の表情と言葉は終始固く、それだけでぼくたちにも次男坊の状態が判別できるくらいだった。そしてそこでDICの状態にあり、治療を施していることが説明された。

本来血液は固まる作用と、固まらない作用とを併せ持っていて、それが通常時はバランスよく機能している。ところがそのバランスが崩れ血液が固まろうとする働きが顕著に現れてしまうことがあり、それがDICだそうだ。でその症状が出るとどうなるのかと言うと、血栓が出来て臓器に血液が回らず臓器不全を引き起こす。また無秩序に固まろうとするのを防ごうと血栓を溶かす作用がきつく働いて出血を引き起こすこともあるようだ。腕や足などでの出血なら紫色に色が変わるくらいだけれど、出血場所が脳だとそんなことは言っていられず、命に関わることになる。治療としては、血液の状態をよく見ながら、血液の凝固反応を抑える薬を投与する。しかし凝固反応を抑える方に振れすぎると出血のリスクが高まるので、その辺りのバランスを見ながらの投薬治療となるとのことだった。医師から告げられたのは、病状が急変することが考えられるので、そのつもりでいてもらいたいとのことだった。そしてこうとも言われた。『24時間、必ず連絡が取れるようにしておいて下さい』この言葉が、ぼくには効いた。敗血症性ショックの死亡リスク25%とDIC。次男坊が、向こうに持って行かれるんじゃないのかと思うと、怖くて怖くてたまらなかった。その日から、枕元に携帯電話を置いて寝た。いつ電話が鳴るかもしれないと思うと、眠れない。無事に迎える朝が、どれほど嬉しいものだったか。医師団からの説明時に告げられたのが、週明けくらいまでが一つの山だとのこと。説明を受けたのが金曜日。早く無事に携帯電話がなること無く月曜日が来てくれと、祈る毎日だった。

by nishan-cordy | 2013-12-17 18:10 | 健康 | Comments(0)
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