2010年 03月 19日
げん担ぎ
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げんを担ぐことって、ありますか?


商売人の子供として育ったせいだろうか、ぼくは結構げんを担ぐほうだと思う。良い成績がとれたテストの時使っていた筆記用具でいつもテストに臨むだとか、良いスコアーがでた時のボールマーカーやキャップでラウンドするだとか、いまだに茶柱が立つと無性にうれしくて一日が楽しかったりする。最近のげん担ぎは、時計。数日前から、この時計を愛用している。

本調子ではなかったうえに大学受験でストレスがかかったのか、最後の試験の二日後にじろじろは再度調子を崩し入院した。と言ってもそれほど重篤な症状ではなく、ごく軽い段階での予防的な入院と考えていた。ところが入院後すぐに肛門の近くに膿瘍が発見され、それがみるみる大きくなって痛烈な痛みも伴うようになった。そこで急遽膿瘍を切開して、膿を出す手術を受けることとなった。手術と言ってもそれほど大がかりなものではなく、腰から下の半身麻酔で行われた。手術自体は成功したのだけれど、それから高熱が続いていっこうに下がらなかった。熱さましと抗生物質の点滴を投与しているけれど、それほど効果がなかった。39度を超える熱が出て熱さましで37度台まで下げるんだけれど、また38~39度に上がると言う繰り返し。痛みと高熱で本人の気持ちが折れないかと、そればかり心配していた。

手術から一週間目、いつものように病室を訪れるととても調子が良かった。熱も37度前半で安定し、痛みもそれほどでもないらしく、久しぶりに会話が弾んだ。眉間にしわを寄せていない彼の顔を見るのは、本当に久しぶりだった。その後も若干調子を崩すこともあったけれれどゆっくりながら快方に向かい、昨日の検査では他に膿瘍が見つからなかったので熱も安定するだろうとのことであった。調子が良く、久しぶりに会話を愉しんだ時に、たまたまつけていたのがこの時計。それ以来、これをつけていれば彼の調子がいい状態でいられるんじゃないかと 『げんを担いで』 この時計を愛用している。もともとアウトドアで遊ぶ時用に買ったもので、カヌーで川を下ったりキャンプの時に活躍していた時計である。デザインや大きさなど、ビジネスシーンには似つかわしくない。そんなことは、重々承知している。それを承知の上で、スーツで仕事をするわけではないぼくは、げんを担いでこの時計を着用して仕事をしている。こんなげんを担がなくて良いように、全快する日がいつか訪れることを心から祈りつつ、ぼくは今日もこの時計をつけて仕事をしている。

by nishan-cordy | 2010-03-19 14:44 | 健康 | Comments(0)
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